2022年10月開催《北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン・ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)》が第22回「佐治敬三賞」を受賞しました
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この度、ベルリンを拠点に活動するピアニストの北村朋幹が2022年10月8、9日の2日間にわたり、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで行った、《北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン・ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)》が第22回(2022年度)佐治敬三賞を受賞いたしました。 

 

「佐治敬三賞」は、故・佐治敬三(元サントリー株式会社会長、元サントリー音楽財団理事長)の功績を記念するとともに、氏の音楽への深い愛情と理解およびパイオニア精神を承継し、新しい世紀の日本における音楽公演活動の一層の振興を願い、わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演に贈られるもので、公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤 剛、鳥井信吾)が2001年度(平成13年度)に創設されました。賞金は200万円。

 

今後とも北村の活躍にご注目いただけましたら幸いです。

◆第22回佐治敬三賞 

・表彰公演:北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン・ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)

 

<公演概要>
名称:「北村朋幹 20世紀の邦人ピアノ作品」
日時:2022年10月9日(日)15:00
会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 小ホール
曲目:

 武満徹/2つのレント(1950)
 福島和夫/水煙(1972)
 柴田南雄/ピアノのためのインプロヴィゼーション第2番no.31(1968)
 八村義夫/彼岸花の幻想op.6(1969)
 松村禎三/ギリシャによせる二つの子守歌(1969)
 甲斐説宗/ピアノのための音楽(1974)
 石井眞木/ブラック・インテンションIII-息のためのピアノ練習曲-op.31(1977)
出演: ピアノ 北村朋幹
主催: 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

 

<関連企画>
名称:「北村朋幹×ジョン・ケージ」
日時:2022年10月8日(土)11:00/14:00(2回公演)
会場:滋賀県立美術館エントランスロビー(入場無料)
曲目:

 ジョン・ケージ/プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード(1946-48)
 使用ピアノ:YAMAHA C3L   ピアノ提供:株式会社うたまくら ピアノ技術者:荒木欣一
主催:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
共催:滋賀県立美術館

 

・選考委員:
伊藤制子、伊東信宏、片山杜秀、白石美雪、長木誠司、野々村禎彦、舩木篤也、水野みか子(敬称略・50音順)

 <受賞理由>
 
「北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン・ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)」は滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 小ホールで行われた「20世紀の邦人ピアノ作品」と題された演奏会(10月9日)と、その関連企画として滋賀県立美術館エントランスロビーで開催された「北村朋幹×ジョン·ケージ」という演奏会(10月8日)で構成されていた。メインはびわ湖ホールでの演奏会であるが、北村にとって後者におけるケージの《プリペアド·ピアノのためのソナタとインターリュード》全曲は邦人ピアノ曲と時空を超えて応答し合う関係なのではなかったろうか。
 
武満徹の《2つのレント》に始まり、福島和夫《水煙》、柴田南雄《ピアノのためのインプロヴィゼーション第2番》、八村義夫《彼岸花の幻想》、松村禎三《ギリシャによせる二つの子守歌》、甲斐説宗《ピアノのための音楽》と続き、石井眞木の《ブラック·インテンションIII-息のためのピアノ練習曲-》に終わる、1960年代から70年代の作品を中心とした演奏会は、アンコールに演奏された高橋悠治の《秋のオーロラ CANTO I》を含めて実にさまざまなスタイルとアイディアを盛り込んだものであった。アンコールの高橋以外はすべて故人となった作曲家たちのピアノ曲を、こうした形でまとめてプログラム化するピアニストは、21世紀の現在そうはいない。そして、それらはかつて作曲者たちが存命中に頻繁に採り上げられていたころの演奏とはまったく異なったもの、すなわち不可視の歴史の襞を確実に感じさせつつも、時間の距たりのなかで変容してきた、純粋に今の視点から捉え直された作品として、どれもこよなく新鮮に響いた。作曲当時のアイディアを超えて、作品が新たな生命を吹き込まれつつ、不死性へと架橋された瞬間を聴き手は目の当たりにしただろう。
石井作品では舞台上でのピアノのプリペア(弦の間にねじやゴムを挟み、特殊な音響を作り出すこと)をも演奏の一部として感じさせながら、内省的で濃厚な時間の持続を途切れさせることなく、いわば北村自身の高密度の宇宙を描くような演奏会は聴き手に強いインパクトを与えた。
 
関連企画として行われたジョン·ケージ作品の演奏会は、オープンな空間で出入り自由の公演であったが、各回100人ほどの聴衆が各々の角度から聴き入り、誰も出ていこうとしなかった。事前に慎重に行われていたピアノのプリペアは、それ自体が「解釈」であり、同時に「演奏」の一部だったと言えるだろう。澄み切って、同時に深みのあるタッチで長大な作品が克明に描き出され、特に後半はひたすら演奏の集中力が増していくのが感じられた。今という時間上にある日本だからこそ生まれ得た思索的な演奏であり、北村の創り上げる宇宙はここでもひとびとを魅了してやまなかった。(長木誠司・伊東信宏)

メディア関係者様 問い合わせ先 : 

KAJIMOTO  (広報宣伝)

pr@kajimotomusic.com 

 (寺井/伊藤

北村朋幹 今後の公演情報

サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン

ディスカバリー!ナイト~室内楽なシンフォニー
2023年6月13日(火)19:00

サントリーホール ブルーローズ(東京)
プログラム
ベートーヴェン:

 交響曲第2番 ニ長調 作品36(ピアノ三重奏用編曲) 
ショスタコーヴィチ(デレヴィアンコ 編曲):

 交響曲第15番 イ長調 作品141(ピアノ三重奏と13の打楽器用編曲)
共演

郷古廉(ヴァイオリン)、横坂源(チェロ)、清水太/西久保友広/藤井里佳(打楽器)

上野通明 チェロ・リサイタル

ピアノ:北村朋幹
2023年6月30日(金)19:00

京都コンサートホール 小ホール(京都)
プログラム
ベートーヴェン:

 チェロ・ソナタ 第4番 ハ長調 op.102-1

ブラームス:

 チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調 op.38 
J.S.バッハ(フルニエ編):

 6つのコラール より 
メンデルスゾーン:

 チェロ・ソナタ 第2番 ニ長調 op.58
共演

上野通明(チェロ)

北村朋幹ピアノ·リサイタルTomoki Kitamura Real-time Vol. 5 “Années de pèlerinage II”
2023年8月23日(水)14:00

ムジカーザ(東京)※追加公演

プログラム

ドビュッシー:ピアノのための練習曲第8番「装飾音のために」

ガルデッラ:高地のソナタ
ベートーヴェン:
ピアノソナタ第31番変イ長調 Op.110
リスト:
巡礼の年第2年「イタリア」S.161

 

2023年8月23日(水)19:00

ムジカーザ(東京)

プログラム

ドビュッシー:夜想曲
ガルデッラ:高地のソナタ
ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番変イ長調 Op.110
リスト:巡礼の年第2年「イタリア」S.161

池辺晋一郎80 バースデーコンサート

2023年9月15日(金)19:00

東京オペラシティ コンサートホール(東京)

プログラム

池辺晋一郎: ピアノ協奏曲第1番(1967)

共演

広上淳一(指揮)、オーケストラ·アンサンブル金沢(管弦楽)

BIOGRAPHY

北村朋幹(ピアノ)

 

1991年愛知県生まれ。3歳よりピアノを始め、浜松国際ピアノ·コンクール第3位、シドニー国際ピアノ·コンクール第5位ならびに3つの特別賞、リーズ国際ピアノ·コンクール第5位、ボン·テレコム·ベートーヴェン国際ピアノ·コンクール第2位などを受賞。
第3回東京音楽コンクールにおいて第1位(2位なし)ならびに審査員大賞(全部門共通)受賞。以来日本国内をはじめヨーロッパ各地で、オーケストラとの共演、リサイタル、室内楽、そして古楽器による演奏活動を定期的に行っている。その演奏は「類稀なる時間の感覚。まるで素晴らしい指揮者によるオーケストラの演奏を聴いているよう」(パーヴェル·ギリロフ)、「卓抜な詩的感性、そして哲学的叡智を具えた芸術家」(濱田滋郎)などと評された。また2020年9月、東京オペラシティ文化財団主催「B → C:バッハからコンテンポラリーへ」における、4台の鍵盤楽器を用いた、ケージの作品を中心としたプログラムによる画期的なリサイタルは「我が国のピアノ演奏史において重要な一夜と言っても過言ではない(伊藤制子)」と高く評価された。2022年10月、びわ湖ホールで行った「北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン·ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)」が、第22回(2022年度)佐治敬三賞受賞。 2019年からは自身のリサイタル企画「Real-time」を展開している。
録音はフォンテックから『遙かなる恋人に寄す―シューマン「幻想曲」からの展望―』、『夜の肖像』、『黄昏に-ブラームス/リスト/ベルク作品集』をリリース。最新アルバム『ケージ プリペアド·ピアノのためのソナタとインターリュード』は、令和3年度(第76回)文化庁芸術祭賞 レコード部門 優秀賞を受賞。またレコード芸術《特選盤》、読売新聞 REVIEW《特選》、毎日新聞《特選盤》、朝日新聞 for your collection《推薦盤》に選ばれ、主要音楽メディアにおいて好評を得ている。
東京藝術大学に入学、2011年よりベルリン芸術大学ピアノ科で学び最優秀の成績で卒業。またフランクフルト音楽·舞台芸術大学では歴史的奏法の研究に取り組んだ。これまでに伊藤恵、エヴァ·ポブウォツカ、ライナー·ベッカー、イェスパー·クリステンセンの各氏に師事。ベルリン在住。

 

NOW ON SALE

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『ケージ プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード』
北村朋幹(ピアノ)
 
レーベル:フォンテック
品番:FOD9850
SACDハイブリッド盤 CD & SACD(STEREO)
価格:¥3,080(消費税込)
2021年8月4日(水)発売

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【広報宣伝担当】

寺井/伊藤

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